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コンテンツファンディングの法的スキーム

民法上の組合契約

コンテンツのためのファンディング(資金調達)において、広く利用されているのが、製作委員会方式です。製作委員会方式は,法的には民法上の任意組合であることが多いと考えられています。もっとも,商法上の匿名組合(商法535条~),有限責任事業組合(有限責任事業組合契約に関する法律2条)など,民法上の任意組合から一歩進めて,出資財産を営業者に帰属させたり,組合員の責任を有限としたりすることなども考えられます。民法上の任意組合契約のメリットは税制上のパススルー課税であったり,組成が簡易な点であったりします。反面、デメリットとしては、法人格が付与されない(権利の一元化が困難であること)があげられます。

有限責任事業組合(LLP)

主として,民法上の任意組合契約における組合員の無限責任というデメリットをクリアするために使われる事業体です。有限責任事業組合契約に関する法律に法的根拠が求められ,同法による規律を受けます。

匿名組合契約

商法に根拠がある組合契約で,民法上の任意組合契約とは大きく性質を異にします。営業者が1人定められ,組合契約は営業者と出資者の個別契約とされます。したがって,出資者には脱退という概念がなく,認められているのは契約の解除権になります(商法540条)。出資者は営業からは分離され,営業上の権利義務を負担しないことになります(商法536条4項)。

特定目的会社(TMK)

次に,著作権などの権利の一元化のために,営業を行う主体に法人格を持たせることが考えられます。特に一つのコンテンツ事業に特化した法人格を付与するときに設立を考慮されるべき一つのスキームが特定目的会社(資産の流動化に関する法律2条3項)です。特定目的会社(TMK)は,特別目的事業体(SPV)及び特別目的事業体に包含される概念である特別目的会社(SPC)の一形態で,コンテンツファンディングにおいては,一のコンテンツ事業を営むという特定の目的達成のために設立されることになります。パススルー課税は原則的に適用されませんが税制上の優遇措置があります。

合同会社(LLC)

LLPと起源を一にしますが,法人格が付与され反面パススルー課税により2重課税を防ぐことは原則的にできません。株式会社よりは組成コストが低く設立は容易ですが,法人格を得ることは可能です。反面導入されて新しい制度であり事業体として株式会社ほど社会的信用を得られていないのが現状です。

株式会社

もっとも広く利用されている会社組織で、会社法にその設立の根拠規定があります。特定のコンテンツ事業のために株式会社が設立されるケースも少ないながら見られます。

売買予約乃至は停止条件付き売買契約

小規模な事業者や個人クリエイターが購買型のクラウドファンディングなどでコンテンツ事業の資金を調達する場合,事業者個人と出資者を規律する法律構成として検討することが出来るスキームです。一定額の出資が集まることを条件に,既出の出資を寄託乃至貸借とし,出資が一定額に達した段階でクリエイター乃至事業者から売買を完結する意思を表示(民法556条1項)するか或いは,停止条件の成就により売買契約が成立(民法127条1項)するという構成です。事業者やクリエイターは需要が一定程度あることを確認したうえで、代金の前払いを受けることができます。

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