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平成27年4月14日知財高裁判決を受けて、少なくとも高裁までの下級審レベルでは実用品にも通常の著作物と同様の基準が適用されるケースも多く出てきそうです。※1

つまり、これまで実用品として捉えられていた商品の中にも美術の著作物に該当する商品がでてくるものと考えられます。そうすれば、インターネットオークションなどの実用品の電子商取引についても、商品画像を表示するには著作権法47条の2の適用を受けるべく配慮する必要性も出てくる可能性があります。

また、実用品の中に、美術の著作物ではなく、他の著作物として著作物性が肯定されるものもあるのか、その際、著作権法47条の2が(類推)適用されるのか、不透明な部分も残されています。例えば、実用品に広く美術の著作物該当性が肯定され、著作権法47条の2が適用される状況が発生したとして、模型の著作物(著作権法10条1項6号)だけ同条の適用がないというのも不均衡です。実用品が広く著作権法47条の2の射程に入ったとして,著作物性を肯定される地球儀や機械、建造物模型などだけが同条の適用対象外として商品画像を使用できないという結論には首をかしげざるを得ません。反面学術的な側面で著作物性を肯定される模型の著作物については性質が異なり、商品画像を使用できないとの結論に不合理な部分はないとの指摘なども想定できるところです。

※1)もっとも、現時点で最高裁判所の立ち位置は明確にされておらず、平成26年8月28日に同じ知財高裁でこれまでの考え方を踏襲したともとれる判断が示されており、知財高裁自体が態度を決め兼ねているとも捉えられます。しかしいずれにせよ、現時点でもっとも近い時期に知財高裁がこれまでの考え方を覆すとも取れる判断を示したことから、実用品に対する著作物性肯定の幅は拡がったとみておいた方が無難と考えられます。また、個人的には意匠法との棲み分けの議論において実用品のデザインについてのみ著作物該当性のハードルをあげることは不合理と感じています。学説からの批判も強かった部分であり、今後平成27年4月14日判決は踏襲されていくことになるのではないかと考えています(私見)。

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