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送信可能化権

送信可能化権

送信可能化とは、「公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置(公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより、その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分(以下この号及び第四十七条の五第一項第一号において「公衆送信用記録媒体」という。)に記録され、又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいう。以下同じ。)の公衆送信用記録媒体に情報を記録し、情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体として加え、若しくは情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体に変換し、又は当該自動公衆送信装置に情報を入力する」行為或いは、その公衆送信用記録媒体に情報が記録され、又は当該自動公衆送信装置に情報が入力されている自動公衆送信装置について、公衆の用に供されている電気通信回線への接続(配線、自動公衆送信装置の始動、送受信用プログラムの起動その他の一連の行為により行われる場合には、当該一連の行為のうち最後のものをいう。)を行う」行為により自動公衆送信し得るようにすることをいいます(著作権法2条1項9号の5)。
インターネット通信には、一般的なClient/Server (クライアント/サーバー)方式に加えてファイル共有ソフトなどに利用されるPeer To Peer (ピアツーピア)方式があります。著作権法上、自動公衆送信装置は、一般的なClient/Server (クライアント/サーバー)方式に従えば、サーバーということになりますが、P2P方式の場合は、P2P方式の際の通信端末の呼称である、ノード、あるいはサーバントがこれに該当することになると解されます。

注意を要する送信可能化行為

著作権法2条1項9の5号イにいう、自動公衆送信装置に情報を入力することとは、サーバーに情報の蓄積・固定化が伴わない場合で、典型的には「ウェブキャスト」の生配信などを予定しています。また、たとえば、PHPで使用できる file_get_contents で取得した外部サイトのコンテンツ情報をクライアントコンピューターに送信し表示させる場合も、「自動公衆送信装置に情報を入力する」行為に該当するものと思料されます。

次に、著作権法2条1項9の5号ロ括弧書にいう、送受信用プログラムの起動とは、どのような行為を指しているのか

インターネット通信は、まず、IPアドレスで接続するサーバーを特定します。

もっとも、サーバーとの通信を開始しても、利用するアプリケーションが合致しなければなりません。そこで、ポート番号で、対象アプリケーションを指定します。

Apache(アパッチ)とは、ウェブサーバー用のアプリケーションです。ウェブサーバーも通常のパーソナルコンピューターであることに変わりはありません。ウェブサーバーがウェブサーバーとして機能するのは、サーバー用のアプリケーションがインストールされ稼働していることに基づきます。

Tomcat(トムキャット)のように、Apache(アパッチ)と連動して使用するアプリケーションもあります。

インターネット・プロトコル・スイートは、IPとTCPを中核とする通信技術です。TCPは、HTTPなどの通信とIPの楔役を行うプログラムで、IP通信とアプリケーション間の橋渡しや、IP通信の正確性の担保を役割とします。こうして確立したIP・TCP通信の内容を制御するのが、HTTPなどの通信プロトコルです。

上記インターネットの仕組みに照らすと、著作権法2条1項9の5号ロ括弧書にいう、「送受信用プログラムの起動」とは、Apache(アパッチ)などの、ウェブサーバー用のアプリケーションの起動をさすと解されます。いずれにせよ、それまで自動公衆送信出来なかったデータが、自動公衆送信できるようになった時点からみて、自動公衆送信できる状態にすることについて法的に禁圧する程度に有効性をもつと評価される最後の行動をもって、送信可能化行為と評価されるものと解されます。

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