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レンダリングデータとは

レンダリングデータは、ウェブサイトをブラウザに表示する際にクライアントコンピュータのメインメモリに生成されるデータです。

レンダリングデータを生成する演算は、CPUなどが行います。メインメモリはCPUに情報を受け渡し、CPUは演算結果をメインメモリに受け戻します。

さらにCPUにあるキャッシュメモリがこのデータの受け渡しを媒介することがあるようです(キャッシュメモリが、1次キャッシュメモリ、2次キャッシュメモリに分かれる例もあるようです。)。

GPUとビデオメモリー

GPUとビデオメモリーの関係も、簡略化すれば、CPUとメインメモリーの関係に引き直して理解できるようです。マザーボードの中のCPUとメインメモリ=グラフィックボードの中のGPUとビデオメモリー。GPGPUというGPUの高性能版もあるのと最近はGPUの処理結果は一度CPUに行く場合があるとのこと。

レンダリングデータが著作物を描画する過程

そうすると、レンダリングデータは、補助記憶装置から主記憶装置に受け渡(クローン二ング)され、HTMLなどのデータと、画像などの非テキストデータがCPUで演算され統合調整(コンバイニング)されてメモリーに返される暫定データということになります。このとき、クライアントコンピュータからの入力値をさらに演算に加えた、レンダリングデータ2がつくられるのか、元から入力値を踏まえてレンダリングデータをつくるのかして、いずれにせよブラウザのビュウポートや座標値も反映したデータがモニターに著作物を描画します。

そうすると、メモリに受け渡されたHTMLデータやCSSデータは、ツリーを生成するなどCPUで演算処理されて、同じくメモリに受け渡された画像データなどを組み入れてレンダリングデータ(演算処理結果)を生成し、演算処理結果としてのレンダリングデータをメモリに受け返すことになります。

こうして生成されたレンダリングデータがメモリからモニター(あるいはプリンター)に出力されて、著作物を含んだ情報を描画することになります。このとき、クライアントコンピュータからの入力値をさらに演算に加えた、レンダリングデータ2がつくられるのか、元から入力値を踏まえてレンダリングデータをつくるのかして、いずれにせよブラウザのビュウポートや座標値も反映したデータがモニターに著作物を描画します。

ハードディスク(補助記憶装置)キャッシュ領域に入力されたhtmlやCSSなどのデータはメモリ(主記憶装置)に呼び出され、同じくハードディスクのキャッシュ領域からメモリ部に受け渡された画像データなどの非テキストデータと組み合わされて統合調整の結果、CPUでレンダリングデータが生成され、レンダリングデータに変容するかレンダリングデータを新たに生成して、これがメモリに受け戻されてこのレンダリングデータが著作物などの情報をモニタに描画するものと考えられます。

リツイート事件とレンダリングデータ

先の知財高裁判例は、このようにクライアントコンピュータで実行されるhtmlやCSSと画像データなどの非テキストデータの合成作用が同一性保持権侵害及び氏名表示権侵害を導くものと判断したと考えられます。

つまり、リンクによるHTTP(s)通信終了後、クライアントコンピュータに参集したデータの結合が同一性保持権侵害、氏名表示権侵害を導くかが、問題の本質と言えるでしょう。

その意味で、リンクの問題ではなく、リンクによってクライアントコンピュータにデータが集合したあとのデータ統合(インコーポレーション)に基づく同一性保持権、氏名表示権侵害の問題と捉え得ます。

下記リンク先で、この点を詳述しています。

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