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無料素材と誤診して写真素材をウェブサイトに使用した後損害賠償訴訟が提起され原告請求が認容された事例

少し前の判決ですが、最近原告によるプレスリリースがあり報道されている東京地裁民事29部(知財部)2015年4月15日判決を紹介します。ウェブで転がっている画像について、軽々にフリー素材と軽信すると、後で大きな問題となることがあるという意味で、参考になる事例だと思います。

本判決では、第三者が無断でフリー素材として公開していた原告の有料写真データをフリー素材と誤信して使用した被告に対して,複製権侵害、公衆送信権侵害及び氏名表示権侵害の主張が認められ,損害賠償請求が認容されました。

争点は、①複製権侵害の成否、②有料素材として氏名非表示を認めている写真データについて無断使用に氏名表示権侵害が成立するか、③故意過失の有無、④損害額、の4点です。

②について、裁判所は有料素材として氏名非表示を認めていたとしても、違法使用の際にも氏名を表示しないことまで承諾していたと認めるに足る証拠はないと判示しました。つまり、裁判所は適法な有料使用と、違法な無断使用の際で、氏名表示の承諾を分けて考える立場を採りました。

③被告の本件で故意過失を認めれば憲法21条に反するという主張は排斥されました。これに対して、裁判所は,被告従業員の経歴等に照らすと被告従業員は権利侵害の可能性を認識しながらあえて使用したことが推認されるという立場をとりました。そのうえで、推認を覆す事情は特に見当たらないものとして、少なくとも未必の故意が認められると判断されています。識別情報や権利関係の明らかでない著作物については、警告を受けてから対処すれば足るとする被告主張は排斥されました。

④損害額については、複製権、公衆送信権侵害について、原告規定に基づく使用料が損害として認められました。1部作品について著作権を持たないものの、写真素材の独占利用権者である原告には、損害額の推定規定である著作権法114条3項が類推適用されています。また、複製権、公衆送信権侵害とは別に、著作者人格権である氏名表示権侵害として、慰謝料の請求が認められました。著作者人格権に関する損害は特段の事情がない限り、著作権侵害とは別途に発生しないという被告主張は主張自体失当として排斥されました。また、サムネイル画像が容易にコピーできることが原告側の過失として過失相殺の事由になるとの被告主張は排斥されました。


著作権IT法務弁護士齋藤理央

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