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意匠法改正法案が成立し、成立から1年以内に施行されます。今回はこの中で、画像に関する保護範囲の拡充について言及したいと思います。

新条文・改正意匠法2条1項

改正意匠法2条1項は、「この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。以 下同じ。)の形状、模様若しくは色彩若しくはこれらの結合( 以下「形状等」という。)、建築物(建築物の部分を含む。以下同じ。)の形状等又は画像(機器の操作の用に供されるもの 。又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り、画像の部分を含む。次条第二項、第三十七条第二項、第三十八条第七号及び第八号、第四十四条の三第二項第六号並びに第五十五条第二項第六号を除き、以下同じ。)であつて、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう」と定めます。

新意匠法2条1項にいう「画像」の意義

ここでいう画像は基本的に表示画像(その物品の機能の発揮としての画像、機器の機能を果たすために必要な画像(「機器がその機能を発揮した結果として表示される」画像(改正意匠法2条1項括弧書)))と、操作画像(物品が機能を発揮で きる状態にするための「機器の操作の用に供される」(改正意匠法2条1項括弧書)画像)を念頭に置いています。

映画やゲーム、ウェブサイトなどのコンテンツについて画面については、ここでいう、「画像」に含まれない前提となっています。

参考・産業構造審議会知的財産分科会意匠制度小委員会改正関連資料

特許庁ウェブサイト・産業構造審議会知的財産分科会意匠制度小委員会改正関連資料のページhttps://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/isho_shoi/index.html

第9回意匠制度小委員会議事録

平成30年11月5日(月)於・特許庁庁舎7階 庁議室 産業構造審議会 知的財産分科会  第9回意匠制度小委員会議事録https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/isho_shoi/document/index/isyou_09gijiroku.pdf

他方で装飾画像や、ゲームのコンテンツ画像は、従来どおり対象外にするということで。この辺をどのように定義するかについては、これから法律の条文の検討の中でその線引きをはっきりさせていきたいと考えております(14頁)。


基本的に対象として考えているのは、資料に書いてありますように何らかの物品や機器ですが、こういったものの機能に関係する画像という縛りが1つ考えられると思っております。そういう意味では既存の表示画像や操作画像を対象に、ただ、その表示場所や記録場所の制約を外していくというイメージで考えています(15頁)。

こちらは操作画像と表示画像で、ほぼここで言いたいことの趣旨は言い終えているのかと思うのですけれども、今後は技術の進展等で、操作画像、表示画像以外の画像が関連する機器等の機能に関係する画像が出てきた場合にも、そういったものも含まれる余地があるのではないかということで、「など」としております。基本的にはこの2つで十分足りているのではないかと考えております(21頁)。

もちろんコンテンツの保護の必要性が一般論として低いわけではないので。恐らく意匠制度による保護の必要性ないということだと思います。つまり、今まで登録などを前提にしないで行っているクリエーターが中心にいる業界ですから、多分、意匠制度に組入れると大きな混乱になる可能性がある。そういう政策判断だということで保護の必要性がないと書いてあるのではないかと思います。ちょっと言葉足らずのところがあったかもしれません。(22頁)

画像の解釈

知的財産高等裁判所平成29年05月30日判決(平成28年(行ケ)第10239号)

1 意匠法2条2項は、「物品の操作(当該物品がその機能を発揮できる状態にするために行われるものに限る。)の用に供される画像であって、当該物品又はこれと一体として用いられる物品に表示されるもの」は、同条1項の「物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」に含まれ、意匠法上の意匠に当たる旨を規定する。同条2項は、平成18年法律第55号による意匠法の改正(以下「平成18年改正」という。)によって設けられたものである。
  ところで、平成18年改正前から、家電機器や情報機器に用いられてきた操作ボタン等の物理的な部品を電子的な画面に置き換え、この画面上に表示された図形等からなる、いわゆる「画面デザイン」を利用して操作をする機器が増加してきていた。このような画面デザインは、機器の使用状態を考慮して使いやすさ、分かりやすさ、美しさ等の工夫がされ、家電機器等の品質や需要者の選択にとって大きな要素となってきており、企業においても画面デザインへの投資の重要性が増大している状況にあった。
  しかしながら、平成18年改正前においては、特許庁の運用として、意匠法2条1項に規定されている物品について、画面デザインの一部のみしか保護対象としない解釈が行われ、液晶時計の時計表示部のようにそれがなければ物品自体が成り立たない画面デザインや、携帯電話の初期画面のように機器の初動操作に必要不可欠な画面デザインについては、その機器の意匠の構成要素として意匠法によって保護されるとの解釈が行われていたが、それら以外の画面デザインや、機器からの信号や操作によってその機器とは別のディスプレイ等に表示される画面デザインについては、意匠法では保護されないとの解釈が行われていた(意匠登録出願の願書及び図面の記載に関するガイドライン-基本編-液晶表示等に関するガイドライン[部分意匠対応版])。
  そこで、画面デザインを意匠権により保護できるようにするために、平成18年改正により、意匠法2条2項が設けられた。
  このような立法経緯を踏まえて解釈すると、同項の「物品の操作…の用に供される画像」とは、家電機器や情報機器に用いられてきた操作ボタン等の物理的な部品に代わって、画面上に表示された図形等を利用して物品の操作を行うことができるものを指すというべきであるから、特段の事情がない限り、物品の操作に使用される図形等が選択又は指定可能に表示されるものをいうものと解される。

新改正意匠法2条1項にいう画像について

このように、新意匠法2条1項にいう「画像」は、機器に記録され、あるいは機器に表示されることを必ずしも要件としないものの、機器等の機能に関係する画像例えば、表示画像や操作画像をいい、映画やウェブサイトなどのいわゆるコンテンツは含まないものと考えられます。

その意味で記録場所や表示場所の制約については緩和されましたが、「画像」と「機器」との機能面での関連性は保護要件として残存しており、機器との紐付けは切断されておらずなお、要件として要求されているということになります。

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